協働ロボットに視覚は必要か

~メーカー一体型カメラとそれ以外の比較~

【「視覚」によってもたらされた進化と発展】

時を遡ること5億4500万年・・・地球上では生物のビックバンと言っても良いほどの大発展が起きました。地球誕生から2億年かけて誕生した生物は、そこから何十億年の間、そう大きく変化することはありませんでした。はじめての生物誕生から約38億年経ったカンブリア紀と呼ばれる時代に、「目」という感覚機能が備わった生物が生まれ、突然の多様化が始まりました。それまでゆっくりゆっくりと流れていた世界は、視覚を授かったことにより、急速に劇的な進化と発展を遂げていったと考えられています。そこから5億4500年後の今を生きる私たち人間にとっても、視覚から得られる情報は膨大で、それは全情報の8割とも9割ともそれ以上とも言われています。

協働ロボットは人間に代わり作業をしたり、人と同じスペースで働くために造られましたが、
○視覚(カメラ)を持つタイプ
○持たないタイプに分かれます。
人間にとっても大きな役割を果たす視覚の重要さを、協働ロボットで比較してみたいと思います。

カメラの有無でコストと手間を比較

協働ロボットヒトと同じ環境で働くための安全対策基準を満たしたものを指します。

つまり、産業ロボットに必須だった安全柵や安全エリア確保の必要がありません(ご利用されるお客様にてリスクの評価を実施する必要があります)。
それゆえ、どこにでも簡単に移動が可能になり、それは協働ロボットの大きな利点であり、
どのメーカーもアピールポイントの一つとしています。
しかし、ひとくちに協働ロボットと言っても、サイズ、価格そして性能や適正は各社異なります。
協働ロボットを大きく分けると3種類があります。

今回は「カメラ(視覚)」にフォーカスしてその性能を比較していきたいと思います。

①カメラがないもの
②カメラはあるがカメラとロボットのメーカーが異なるもの
③カメラとメーカーが同一のもの

ここでは「作業台の上にある製品を拾い上げる」という動作を例に、
まずはカメラの有無で比較してみましょう。

カメラのついていない協働ロボットの場合は、作業台に対してロボットを置く位置と、製品を置く位置をそれぞれ固定する必要があります。これにはロボット本体以外に、位置を決める専用の治具などが必要となります。そして、作業場所や製品の位置を変更する場合は、その都度プログラムや位置決め治具を変更する必要があり、時間も費用も、人手も発生します。 その点、カメラ付きの協働ロボットは自ら視覚を持ち、製品の場所を認識できるため、製品の位置を決めるための作業や治具は省略できる場合が多くあります
カメラとロボットが同一メーカーの強み

ロボットと作業台の位置を固定する位置調整器具が必要になることがあります。

製品の位置を固定する必要はありません

これは位置の調整をロボット基点で行っているため、作業台が少しでもズレると正確な動作ができなくなるためです。ロボットと作業台が一体化している場合はその工程は不要ですが、一体化が難しい場合は治具で固定して使用します。いずれにしても、もしロボットを別の場所で使用したい場合には、やはり移動のための労力や時間、そして付属品(固定用治具)が必要となります。

一方で、カメラと協働ロボットが同―メーカーであるテックマンは、カメラを使用することを前提に開発されています。ロボットとの位置を調整するためのTMランドマークという目印を作業台に置くことで、そこを基点にロボット側で位置を調整します。

例えば作業台Aから商品を拾い上げ、作業台Bに置く場合、従来はロボットと作業台ABともに一体化するか、すべて治具で固定する必要があります。

テックマンの場合は作業台ABそれぞれにTMランドマークを取り付けることで、固定の必要なしにロボット側が位置を認識して調整することができます。位置だけではなく、高さや傾きまで把握でき、もちろん調整治具も必要ありません。移動後の作業復帰がとても簡単で時間もかからないため、ロボットを移動させるために工場の作業を半日、1日と中断させるという必要がないのです。

カメラとロボットのメーカーが違うことでもうひとつ大きな懸念点はプログラミングです。

産業ロボットに比べ、協働ロボットのプログラミングはかなり簡易化されています。専門家に外注する必要がなく、自社で作成や書き換えができることが大きな魅力でもあります。しかし、カメラとロボットが別メーカーの場合は、双方のデータのやり取りがどうしても増えてしまい、せっかく簡易化されたプログラミングの難易度が上がってしまうことになるのです。その点、元々カメラを使う想定でつくられたテックマンではプログラミングの際、他の動作と同じようにカメラを使った動作もフロー式で簡単に組み込むことができるよう設計されています。

このようにエンドユーザーの視点から見ると、カメラとメーカーが同一の協働ロボットの使いやすさが良くおわかりいただけると思います。

参考動画

hikaku.png
動画再生

カメラとロボットが
同一メーカーの

3つのメリット

【協働ロボットの投資対効果とは】

これまでの産業ロボットの費用対効果は同じ製品をどれだけ作れるかで判断され、生産数に比例して高くなります。それに対して協働ロボットは、産業ロボットでは費用対効果の出し難い多品種生産を自動化する事が出来ます。つまり、対応したプログラムを素早く社内で内製する事で様々な仕事をロボットに行わせるのです。その中で費用対効果は、ロボットを休ませることなく働かせることで期待できるのです。

製品の種類、作業の場所や工程など多くの仕事をロボットに覚えさせる際に重視したいのは、いかに手間と時間をかけずにレイアウトやプログラムを変更できるかということです。ロボットを働かせ続けるためには、動いていない時間は極力少なくしたいのです。

また導入企業の多くがそうなのですが、最優先で自動化したい作業を1つ決めて導入に踏み切るケースが多いです。導入当初は想定のなかった作業が出てきたり、空き時間ができてしまった場合に、様々な作業や場所でフレキシブルに対応できることは、活用最大化の観点から見てとても大切です。

これまでお伝えして来た通り、自らの視覚を持つテックマンロボットはその機能を最大限に活かし、位置決めやレイアウト、作業変更を短時間・低コストで実現します。数ある協働ロボットの中でも、投資対効果を最大限に活用できるのがテックマンの強みです。せっかく導入したロボットをフル活用して、直近の課題解決だけではなく、生産性や収益の向上を含む、未来への可能性をテックマンロボットとともに切り開いていきませんか。

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