TMSシリーズのコントローラーは何が違う?
TMSシリーズのコントローラーは、主に以下のような観点で選定します。
| 確認ポイント | 内容 |
|---|---|
| 電源仕様 | AC電源か、DC電源か |
| 設置スペース | コントローラーを置く場所に余裕があるか |
| 保護性能 | 粉じんや水滴への配慮が必要か |
| 拡張性 | GPU増設や通信オプションを使用するか |
| メンテナンス性 | フィルター点検や内部確認のしやすさ |
| 装置組み込み性 | 制御盤や装置内に組み込みたいか |
標準的な構成で扱いやすいもの、省スペースに向いたもの、DC電源設備に合わせやすいものなど、コントローラーごとに向いている使い方が異なります。
コントローラー比較表
TMS標準コントローラー
標準ACタイプ。縦向き設置時にIP54相当。保護性と拡張性を重視する場合におすすめ。
TMS-M
DC電源タイプ。標準コントローラーと同等のインターフェースを備え、GPU増設にも対応。
Nanoバージョン
省スペースタイプ。AC/DCを選択可能。付属電源は別置き可能で、GPU増設は非対応。
| 項目 | TMS標準コントローラー | TMS-M | Nano AC | Nano DC |
|---|---|---|---|---|
| 型式 | TMS | TMS-M | TMS-N | TMS-NM |
| 主な位置づけ | 標準ACタイプ | DC電源タイプ | 小型ACタイプ | 小型DCタイプ |
| 外形寸法 | 468±7 × 448±5 × 231±5 mm | 395.2 × 285.4 × 195.5 mm |
309.2 × 243.2 × 120.5 mm(本体) 359.0 × 281.1 × 156.5 mm(付属品含む最大寸法) 付属電源は別置き可能:295.0 × 41.0 × 127.0 mm ロボット接続コネクタ中継式 |
309.2 × 243.2 × 120.5 mm(本体) 359.0 × 281.1 × 156.5 mm(付属品含む最大寸法) 付属電源は別置き可能:295.0 × 41.0 × 127.0 mm ロボット接続コネクタ中継式 |
| IP等級 | IP54相当 ※縦向き設置時 | なし | なし | なし |
| 接続端子インターフェース | 共通 | 共通 | 共通 | 共通 |
| 通信インターフェース | 共通 | 共通 | 共通 | 共通 |
| 通信IFオプション | 共通(拡張カード・使用デバイスにより対応) | 共通(拡張カード・使用デバイスにより対応) | 共通(拡張カード・使用デバイスにより対応) | 共通(拡張カード・使用デバイスにより対応) |
| GPU増設 | 対応 | 対応 | 非対応 | 非対応 |
| 向いている用途 | 標準的な自動化設備 | DC電源設備、組み込み構成 | 省スペース設備 | DC電源の省スペース設備 |
※TM25SおよびTM30S用コントローラーはサイズが異なります。詳しくはお問い合わせください。
※SEMIバージョンについては本ページでは詳しい説明を省略しています。仕様や適用条件については個別にお問い合わせください。
各コントローラー共通のインターフェース
TMS標準コントローラー、TMS-M、Nano AC、Nano DCは、基本的な接続端子インターフェースと通信インターフェースを共通して備えています。ロボット本体の選定だけでなく、外部機器、上位システム、センサー、周辺装置との接続を検討する際にも確認しておきたいポイントです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 接続端子インターフェース | DI/DO 各16点、AI/AO 各2点、DC24V/GND、安全IO、外部起動2点 |
| 通信インターフェース | COM×2、HDMI×1、LAN×3、USB2.0×2、USB3.0×4、EtherCAT×1 |
| 通信IFオプション | PROFINET、EtherNet/IP、CC-Linkは拡張カードにより対応。EtherCATは使用デバイスにより構成が異なります。 |
通信IFオプションは、使用する拡張カードや接続デバイスによって構成が変わります。設備側のネットワーク仕様や使用する周辺機器に合わせて、事前に確認することをおすすめします。プレミアエンジニアリングまでお気軽にお問い合わせください。
TMS標準コントローラー
標準的な設備導入に適したAC電源タイプ
TMS標準コントローラーは、テックマンロボットTMSシリーズで標準的に使用されるAC電源タイプのコントローラーです。
筐体に収められた構造で、取り扱いやすく、一般的な自動化設備への導入に適しています。制御機器としての保護性やメンテナンス性を重視したい場合に選びやすいコントローラーです。
大きな特長のひとつが、IP54相当の保護性能です。粉じんや水滴の影響を受けにくい構造のため、製造現場で使用しやすい構成です。
ただし、IP54の保護性能が有効となるのは、コントローラーを縦向きで設置した場合です。横向きや逆さ向きで使用すること自体は可能ですが、その場合はIP54相当の保護性能は保証されません。設置環境に粉じん、水分、油分などがある場合は、設置方向や周辺環境を含めた確認が重要です。
また、側面には冷却用の吸気口とフィルターがあります。フィルターが埃、粉じん、油分、ミストなどで目詰まりすると、内部の冷却効率が低下し、基板や内部機器の故障原因となる可能性があります。安定して長く使用するために、吸気フィルターは定期的に点検し、汚れや詰まりがある場合は交換してください。
TMS標準コントローラーが向いているケース
| 向いているケース | 理由 |
|---|---|
| 標準的なロボット設備に導入したい | AC電源タイプで扱いやすい |
| 保護性能を重視したい | 縦向き設置時にIP54相当 |
| コントローラーを独立して設置したい | 筐体構造で扱いやすい |
| GPU増設を検討したい | GPU増設に対応 |
| メンテナンスしながら長く使いたい | フィルター交換などの保守が可能 |
TMS-M
DC電源設備や装置組み込みを意識したコントローラー
TMS-Mは、DC電源タイプのコントローラーです。標準コントローラーとは異なる筐体構成で、設備側の電源仕様や設置レイアウトに合わせて検討しやすいモデルです。
接続端子や通信インターフェースはTMS標準コントローラーと同等の構成を持ち、DI/DO、AI/AO、安全IO、各種通信ポートを使用できます。
また、GPU増設にも対応しているため、画像処理やAI処理を組み合わせた構成を検討する場合にも選択肢になります。
TMS標準コントローラーが「保護性を備えた標準タイプ」であるのに対し、TMS-Mは「DC電源設備や装置レイアウトに合わせやすいタイプ」として検討しやすいコントローラーです。
TMS-Mが向いているケース
| 向いているケース | 理由 |
|---|---|
| DC電源設備で使用したい | DC電源タイプとして構成しやすい |
| 制御機器の配置を柔軟に検討したい | 筐体形状が標準タイプと異なる |
| 装置組み込みを意識したい | レイアウト設計時に比較しやすい |
| GPU増設を検討したい | GPU増設に対応 |
| 標準コントローラー以外も比較したい | AC/DCの違いを含めて選定できる |
※写真はPROFINET拡張カード(オプション)がついています。
Nanoバージョン
省スペース設計に適した新しい小型コントローラー
Nanoバージョンは、TMSシリーズのコントローラーの中でも、省スペース化を意識した新しいバリエーションです。
Nano ACはTMS-N、Nano DCはTMS-NMとして展開され、AC電源・DC電源それぞれの設備条件に合わせて選択できます。
本体サイズは、TMS標準コントローラーやTMS-Mと比べてコンパクトです。装置内スペースが限られる場合や、制御機器をできるだけ小さくまとめたい場合に検討しやすいコントローラーです。
Nanoバージョンは、付属電源を別置きできる構成で、ロボット接続コネクタは中継式となります。装置設計時に、コントローラー本体と電源ユニットの配置を分けて検討できる点も特長です。
一方で、GPU増設には対応していません。GPU増設が必要な構成では、TMS標準コントローラーまたはTMS-Mを検討する必要があります。
Nanoバージョンが向いているケース
| 向いているケース | 理由 |
|---|---|
| 省スペース化を重視したい | 本体サイズがコンパクト |
| 装置内に組み込みたい | 小型筐体でレイアウトしやすい |
| AC/DCを選びたい | Nano AC / Nano DCを選択可能 |
| 電源ユニットを別置きしたい | 付属電源を別置きできる |
| コントローラーまわりを小さくまとめたい | 小型装置や省スペースセルに向く |
Nanoバージョン検討時の注意点
Nanoバージョンは省スペース化に適したコントローラーですが、GPU増設には対応していません。画像処理やAI処理でGPU増設を検討する場合は、TMS標準コントローラーまたはTMS-Mを含めて構成を確認する必要があります。
Nanoバージョンは本体がコンパクトですが、付属電源を使用するため、実際の設置検討では本体寸法だけでなく電源ユニットの配置スペースも確認してください。
※図にはEtherNet/IP拡張カードが装着されています。
どのコントローラーを選ぶべきか
標準的な設備ならTMS標準コントローラー
一般的な自動化設備に導入する場合や、IP54相当の保護性能を活かしたい場合は、TMS標準コントローラーが選びやすい構成です。特に、縦向きに設置できる環境で、コントローラーを独立して配置できる場合に適しています。
DC電源設備ならTMS-M
DC電源で設備を構成したい場合や、装置側の設計に合わせてコントローラーを組み込みたい場合は、TMS-Mが候補になります。TMS標準コントローラーと同等の接続端子や通信インターフェースを持ちながら、DC電源タイプとして構成できる点が特長です。
省スペース化を重視するならNanoバージョン
制御盤まわりや装置内のスペースが限られている場合は、Nanoバージョンが有力な選択肢です。本体がコンパクトなため、小型装置や省スペースセルへの組み込みに向いています。ただし、GPU増設が必要な場合は、TMS標準コントローラーまたはTMS-Mを検討してください。
選定早見表
| 条件 | おすすめコントローラー |
|---|---|
| 標準的なロボット設備に導入したい | TMS標準コントローラー |
| IP54相当の保護性能を活かしたい | TMS標準コントローラー ※縦向き設置時 |
| DC電源設備で使用したい | TMS-M または Nano DC |
| GPU増設を検討したい | TMS標準コントローラーまたはTMS-M |
| 省スペース化したい | Nano AC または Nano DC |
| 装置内に小さく組み込みたい | Nanoバージョン |
| 電源ユニットを別置きしたい | Nanoバージョン |
| SEMI仕様を検討したい | 個別お問い合わせ |
設置方向とメンテナンスの注意点
TMS標準コントローラーのIP54について
TMS標準コントローラーはIP54相当の保護性能を備えていますが、その保護性能が有効となるのは縦向き設置時です。
横向きや逆さ向きでも使用は可能ですが、その場合はIP54相当の保護性能は保証されません。粉じん、水分、油分、ミストなどがある環境で使用する場合は、設置方向に注意が必要です。
吸気フィルターの点検・交換について
TMS標準コントローラーの側面には冷却用の吸気フィルターがあります。
このフィルターが埃や油分で目詰まりすると、コントローラー内部の冷却効率が低下し、基板や内部機器の故障原因となる可能性があります。特に、金属粉、切削粉、油煙、粉体、紙粉などが発生する環境では、定期的な点検と交換をおすすめします。
SEMIバージョンについて
TMSシリーズにはSEMIバージョンもありますが、本ページでは標準タイプ、TMS-M、Nanoバージョンを中心に紹介しています。
SEMIバージョンは適用条件や仕様確認が必要となるため、詳しくは個別にご案内いたします。SEMI仕様をご検討の場合は、お問い合わせください。
まとめ
テックマンロボットTMSシリーズのコントローラーは、用途や設置条件に応じて選択できます。
標準的な設備導入には、IP54相当の保護性能を備えたTMS標準コントローラー。DC電源設備や装置レイアウトに合わせる場合は、TMS-M。省スペース化や装置内組み込みを重視する場合は、Nanoバージョンが候補になります。
コントローラー選定は、ロボット本体の型式だけでなく、設置方向、周辺機器、通信仕様、メンテナンス性、制御盤スペースまで含めて検討することが重要です。
プレミアエンジニアリングでは、テックマンロボットの機種選定から、コントローラー構成、設置レイアウト、導入後のサポートまで一貫して対応します。